僕のおじいさんは百姓でした。
子供の頃は、夏休みになると家族・親族一同 総出でぶどうの出荷
大人は大変だったろうけど、耕運機の後ろに乗ってガタゴト揺られながら
ブドウ畑に行くのがワクワクでした。
朝早く起きて、ぶどうの収穫に付いて行くと
カブトムシも、虫かごが真っ黒になるほどとれた思い出があります(^_^)
ぶどうってのはかなり手のかかる果物
そのころはデラウエアが主流だったので
朝早く収穫して
袋から出して、痛んだ粒を先の細いはさみで一粒づつ取り除いて、軸を切って箱につめるのですが・・・
すべての房が綺麗なわけではありません
一番忙しいお盆直前に台風が来ると
熟したブドウが一気に水を吸ってはじけたり、風で揺られて落ちたり、痛みます
粒が小さくてたくさんあるデラウエアは当然、その作業は数倍の労力に(>_<)
不思議だなぁと思うのは
ブドウの木ってのは根元がかなり細い
その細い木から長~~い枝が伸びて、その先からさらに分かれて枝が伸びて
たくさんのブドウが実ります。
そう・・・ ものすごい勢いで水分を吸い上げるのです。
夏休みにヘチマ水って作った記憶がありますが
ブドウの木も、傷ついた枝から水が滴り落ちて水溜りを作るほどすごいんです!!
おふくろ曰く・・・・ぶどうの木に耳を当てると、水を吸い上げる音がする!って
子供の頃聞いたけど、それは嘘か誠かわかりません(笑)
水分の少ない山の斜面でたくさんの実を実らせるブドウの生命力がすごいのは
言うまでもないけどね(^。^)
ブドウの一年を説明すると
秋に米を収穫して、その稲ワラを
ブドウ畑に雑草が生えないように敷き詰めます
これも手伝ったけどめんどくさいっ 大変な作業です ^^;
現代は、そんなめんどくさい事せず
雑草が伸びたら乗用草刈機でバリバリ刈っちゃってます。
時代だね。
春になって、青々とした枝がぐんぐん伸びてくる頃
枝を剪定して整え、金属線を張り巡らせた棚に縛り付けていきます。
花が咲き終わり、小さな青い実がつき出した頃
房を落して減らし、巨峰の場合は粒を一定の数にするためにひと房づつ粒を減らして整えます。
果物ってのは欲をかいてたくさん実らせると、美味しくならないのです
欲の深い人にはむかない仕事だ(笑)
その後、ジベレリンっていう植物ホルモンのパワーを使って
種無しにするのです。
この作業も、水に溶いたジベレリンをコップに入れてひと房づつ
ジャブッて漬けていくんです。
つけたかつけてないか良くわかるように食紅で赤く染めてあるらしいんだけど
上を向きながらつけていくので
作業が終わる時には、たれ流れた液で自分の腕も真っ赤に染まります。
風呂に入ってこすってもなかなかとれない
そして、さらに実が膨らんでくると
ひと房づつ紙の袋をかぶせていきます。
そして、夏休みにはいってお盆が近づいた頃、甘酸っぱくておいしいブドウが実ります(^。^)
ブドウ農家に育った僕が思うに
今はマスカットやピオーネの他にもたくさんの種類のブドウがありますが
巨峰ってすごいです! ブドウの王様です!
とにもかくにも、その強烈な香りはナンバーワンだと思う。
果物ってのは糖度で美味しさを計られることも多いのですが
メロンですら14度くらい
ブドウは平均17度から20度近くあるんですよ
糖分はアルコールに変わるので、美味しいワインが出来るんですよ
酸味も強いので甘さも打ち消されてるけど
だから、ブドウは酸っぱくて甘くて美味しいんです(^o^)
我が家で実った巨峰
ほろ酔いで・・・お詫びのつもりで長々と書きました ^^;
このあたりはブドウ農家が多いんですが
今はどんどん減って、町内でも巨峰作ってるのは3件だけだとか・・・
我が家も今年は木を減らして、ぶどう直売の看板を下ろしました (>_<)
俺がしっかりしてれば、美味しいぶどうを継いで行けるのに
天国のあきよしじいさんに・・・本当に申し訳ない m(__)m
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